こんにちは。ジャマイカのフルタ(@Furuta_Jamaica)です。
先日、授業の中でドリルをやっていた時に7+3という問題を「8」と答えている生徒が何人かいることに気が付きました。
繰り上がりの無い足し算はスラスラできる子が増えてきた中で、なんでこの問題だけ全く同じ間違え方をしているんだろう?と疑問を持ちました。
それを分析していたら、面白いところに気が付いてきたのでちょっと考えてみようと思います!
なぜ7+3=8になるか
まず間違えた子どもたちに授業後、7+3は?と聞いて回りました。
そこでまず最初に気付いたのは、間違えた子たちはまだ指を使わないと計算ができない子たちでした。
ということは、この「指を使う」ところで何かが起きているのかもしれません。
指の動きを分析してみた
実際に7+3を子どもたちにしてもらって、指を動かしてもらいました。
その時の動きがこちら
最初に7本指を立てます。
この後、間違えた子は共通して一本だけを立てて、8としていました。
なぜこれが7+3だと考えてしまうかというと、このように右側に立っているのが3本になっているからなんですね。
うひょ~なんじゃそりゃ。
三本立っているから、+3をしたようなつもりになっちゃっているのか。
気持ちは分からなくはないけど、次のようなことが言えるなぁと思いました。
ここから見える問題は
まず、足し算の答え云々の前に、足し算の意味と計算をつなげられてない子が多いんだなぁと思いました。
7個あるものに3個が足される、という「増加」の足し算の概念の導入とそれを式につなげるところの指導が不十分なんだと思います。
日本であれば、このようにタイルを動かして7に3がくっつく様子を実際に見ながら考えます。
このように、考えている対象を動かすことで計算のやっていることの意味が頭にしみ込んでくるはずなんです。
でも、ジャマイカでは導入の時にこういった指導がされていないために、足し算とはどんな計算かが分かっていない生徒がいる。ということなんですね。
日本の教科書でとても丁寧に書かれている理由が、ジャマイカの子どもたちを見てやっとわかりました。
追記:合併と増加の足し算についてはこちら
7+3以外の計算
これと同じパターンと考えられるのが、
6+2、6+3、6+4です。これらの問題では同じように間違えることが考えられます。
実際に上に載せた写真の子は、3+6も8と答えていますね。
もしかすると数え足しでは、うまく説明できる形の計算と説明しにくい形の計算が存在するのかもしれません。
数え足しを徹底分析した記事はこちら
⇒途上国の算数教育あるある”数え足し”をジャマイカで徹底分析してみました。
まとめ
7+3=8という計算の問題を突き詰めていくと、計算のやり方云々の前に「足し算とは何か」ということについての指導が浸透していないかもしれないということが分かりました。
また計算の形によって、数え足しがやりやすい場合とやりにくい場合があるということも見えてきました。
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