子育て中の方必見。幼児の数の感覚はゲルマンの5原則で大切に育てよう

どうも、こんにちは、フルタ(@Furuta_Jamaica)です。

 

いきなりですが、僕の愛する2人の姪っ子です。

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おねぇちゃんの方はもう幼稚園に入っていて、言葉もたくさん覚えました。

 

そして、数も数えることができます。

「いーち、にーい、さーん・・・」

僕が日本にいたときには確か19まで数えられたんだったかな?

叔父バカですが、かしこいねぇ~~~~。

 

ただ、そんなおねぇちゃんも実は数を本当の意味で理解しているわけではありません。

 

「数を理解する」ということはどういうことか?そして、幼児期の子どもにはどんな発達過程があるのか?ということを、ゲルマンの5原則を元に考えてみたいと思います。

 

数を理解するって何?

問題です。ボールは全部で何個ありますか?

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当たり前です。5個ですね。

 

しかし、子どもの中にはこれが「5個だ」と認識することが苦手な子がいます。

 

いや、僕の姪っ子ちゃんも数えることはできますよ。

「いーち、にーい・・・」って。ただ、数えたうえで「全体の個数が5個だ」ということを理解することはできていないかもしれません。

 

つまり、「ものを数えて、その多さが分かる。」ということが、ここでいうところの数を理解するということなんです。

それを計数と呼ぶそうですが。

意味が伝わってますでしょうか?僕も日本にいたときにこれを学んで、正直「は?」と思ってました。

 

でも、ジャマイカで数を理解していない子どもたちを見て、その意味がモリモリ分かって来たんです。

実際の例をもとにゲルマンの5原則を分析していきましょう。

 

ゲルマンの5つの原理と考え方

名前からは太ったウイスキー好きのおっさんを皆さんも想像されたと思いますが、実はカナダの人の好さそうなおばちゃん(おばあちゃん?)のゲルマン。

よく詳しく知らないけど。

 

まずは、そのゲルマンさんが提唱した5つの原理はこちら。

  1. 一対一対応
  2. 安定した順序
  3. 基数性
  4. 順序無関係性
  5. 抽象性

子どもはこの発達の過程を経て、数を数えて多さを理解する、という概念を獲得していきます。

 

いやぁよくわからないですねぇ。もっとわかりやすいように具体例を挙げながら1つ1つ解説していきます。

 

①一対一対応

問題です。花瓶と花は同じ数ですか?

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違いますね。花の方が一つ多いです。

 

しかし、子どもの中には「同じ」ととらえてしまう子がいます。なぜなら、置いてある幅が同じだからです。

だからこそ、ひとつひとつを対応させてあげることが大切です。

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こうしてあげると、花がひとつ余ることがわかりやすいですね。

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つまりこのようにものを一つずつ指さしながら数えて、一つのものに1を対応させてあげる練習が第一の原理です。

 

②安定した順序の獲得

これはうちの姪っ子ちゃんもジャマイカの子も問題なかったのであんまりイメージがわきませんが、数詞はいつも順序が同じである、ということのようです。

「1、2、3、4、5」と。

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のように、数詞を飛ばしたり順序を変えずに正しく数唱できることが二つ目の原理だそうです。

 

③基数性

これはジャマイカのこどもでもごくたまに見ます。

ここまで数を数えてきましたが、子どものなかでは実は「数える作業をしているだけ」の子がいます。

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「いーち、にーい、さーん、しーい、ごーお」と数えた後に「全部でいくつ?」と聞いても答えられない。

 

つまり、最後に数えた数が全体の量を表していると理解することがこの段階。

 最後の数が5だったので、全部で5個の花瓶があるんだとわかるということですね。

 

④順序無関係性

これは比較的イメージしやすいと思うけど、どの順番から数えても量は変わらないと理解すること。

例えば左から数えているときに一つ間違ってしまったとします。

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5こが「ろく」になっちゃいました。今度は右から数えたとします。

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今度は上手に「ご」と数えられました。

 

ただ、この時に「おかしい」と気づかなければこの段階です。

左から数えると「ろく」で右から数えると「ご」ということは無い、とわかっている子ならもう一度数えようとしますね。

 

このように、全体の量はどこから数えても変わらないよ、と理解することがこの段階です。

 

⑤抽象性

最後はこの原理。抽象性の原理です。

今まで花瓶で表して来ましたが、別にトラでもいいわけです。うさぎでも。お寿司でも。ラーメンでも!ハンバーグでも!!漬物でも!!!あぁ日本食たべたい、、、

 

5匹でも、5羽でも、5貫でも、5杯でも、5バーグでも。

ぜんぶ5なわけですね。それをみんな5って言っちゃおうぜというのが最後の段階。

 

これができると、絵や写真などの具体物をタイルやおはじきなどの半具体物に置き換えて学習を進めていくことができますね。

 

以上、5段階がゲルマンの計数の5つの原理と呼ばれています。

 

お子さんが幼稚園生の親御さんは、自分のお子さんがどの段階を習得できているか考えてみてはどうですか?

 

教える側が発達段階を見極めて支援する

実は先日僕の活動の一つのCalculation Timeのジャマイカ人のリーダーが、幼稚園生に足し算を教え始めた、ということがありました。

彼なりに考えたことなんだろうけど、僕個人の意見としては、まだそんな必要はないんじゃないかと思います。

 

この5段階をまずクリアしていない、数を本当の意味で理解していない生徒たちに対していくら足し算のやりかたを叩き込んだところで効果はでない。

それよりも物を操作したり、生活の中の数字に触れるような機会を増やしてあげることがもっと重要なんじゃないかな。勉強というよりも。

 

こういった”感覚”の部分を新しく人に伝えていくことはとても難しい。ましてや英語で。ただ、やりがいはすごくあるなと思います。

 

途上国の算数教育へのアプローチ

今、世界中ではたくさんの協力隊員たちが算数教育改善のために活動しています。

 

数感覚の乏しさ、数え足し、棒や丸をひたすら書いて答えを出す計算、分数の間違った捉え方。そういったものからくる算数嫌い。

色んな問題に取り組んでいます。

 

こういったことが起こる大きな原因の一つは、低学年での数を感じる機会の不足なんじゃないかなと思うんです。

 

だからこそ、発達段階に見合った正しい支援をしていくこと、それを先生たちに伝えていくことを僕はやっていきたいなと思います。

 

まとめ

なんとなくとらえていた子どもの発達段階ですが、細かく分析していくと確かなステップがありました。

そのためには、子どもたちがどの段階なのかを正しく見極める力がとても重要だと強く感じました。

 

また、特に途上国では、こういった問題を解決していくことで大きな変化を生み出すことができるんじゃないかなと思います。

とりあえず早く、「1」のラーメンでいいので食べたいです。チャーシューは「2」のせてください。

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