夢破れて、ジャマイカ教育省を退職いたします。

 

お久しぶりです。フルタです。

この度、3年間在籍(2年JICAボランティア、1年現地採用)した教育省を退職することになりましたので、報告の記事を書いてみようと思います。

 

充実したスタート

詳しくは決意表明の記事で書いているのですが、僕はジャマイカで青年海外協力隊として活動した後、現地の教育省で採用されました。

 

そもそも隊員時代の活動先であった教育省に残ろうと思ったのは、中から働きかけることでジャマイカの教育の仕組みに変化を作れるんじゃないかと思ったからです。

一国の政府機関の中で現地採用として働くのはとても珍しい機会だし、重要なポジションの人に影響を与えられるかもしれない。

職務内容も、現場の教員たちと関わることができるもので、充実した気持ちでスタートを切りました。

生徒に混ざって授業受けてます

 

カオスな教育改革

始まってみると、今年度のジャマイカの教育事情はまさにカオス。

子どもの将来を左右する6年生の一大テストの方向性がガラッと変わり、教員・子ども・保護者、全員が混乱に陥りました。

足し算や引き算も正しくできない子どもたちも多い中、先進国の言う「21世紀型スキル」や「問題解決型学習」を求められる現場の先生は不満爆発。

学校に行くと、仕事の半分くらいは先生たちの愚痴を聞くことだったかもしれないくらい(笑)

 

教員も生徒ももちろん対応できず、試験中はあまりのテストの難しさに泣きながら机に突っ伏している生徒を何人も見ました。一生懸命勉強したんだと思うと、心が痛かった。。。

 

 

本音と建て前

試験だけではなく、全体的な方向性も何かおかしくなっているという感覚とは裏腹に、僕の仕事は教育省の一員としてそれを進めていくことでした。

心の中では「ん??これでいいのか?」と思っていることを、「これでいいんだよ」と言い切らなければいけない。

現場で困っている先生たちを知っているだけに、心にモヤモヤしたものを抱えながら働いていました。

ワークショップで先生たちから「この国にはまだ早い!」とか「基礎が大事でしょ!」というごもっともな意見を聞いて、うん分かる、その通りだよねぇ、、、と思いながら「でもね、」と言わなきゃいけない立場。

めちゃ辛いですよ!

 

でも文句を言っていても始まらないので、少しずつでも何かできることがあるはず、訴え続けていれば何か変化が起こるはず、と自分を奮い立たせながら自分ができることを探していました。

 

折れた心

そんなある日、教育省の同じポジションの同僚にこんなことを言われました。

 

「フルタ、この教育省を変えようとしても無駄だよ。

彼らは黙って従う人間が欲しいだけで、変化を生む人をそもそも求めてないから」

 

 

 

ポッキ-

 

心の中で本当に音が聞こえたようでした。

何気ない一言だったんだけど、すごく心にクリーンヒットしてしまった。

それまで前向きに頑張らなきゃと自分の中で何とか張りつめていた糸が、プツンと切れた感じ。

色んな犠牲を払って自分がやっていることは無意味なんじゃないかとか、人生の貴重な時間を無駄にしているだけなんじゃないか、とジャマイカに来て3年で初めて無気力みたいな感じになりました。

算数Expoは人がめちゃ集まります

 

越えられない壁

なんだか教育省のやっていることを悪く書いてしまったようですが、それは彼らが一生懸命考えて選んだ手段です。

正直、教育省の職員の働きぶりには一緒に働いてみて驚きましたし、怠けたりさぼったりしているわけではなく、彼らが思う最善策を突き進んでいます。

そう考えると、入ってそこそこの新人、しかも外国人が影響を与えるなんて何ておこがましいんだろう、なんで逆に聞いてもらえると思っていたのか、自分の浅はかさにも気付きました。

中から変化を加えていくには、何年も経験を重ね、信頼と政治力を付け、外国人としてのハンデを抱えながらステップアップしていかないといけない。

 

入る前から難しいのはわかっていましたが、実際に体験してみると想像していた何倍も何十倍も分厚い大きな壁が目の前にありました。

 

次の一歩

それから自分の中でたくさん考え悩んだ結果、教育省を辞める決断をしました。

人生の時間が限られている中、納得していないことに時間と情熱を注いでる場合じゃないと思ったからです。

 

周りの人からは「もったいないんじゃないか」とか「今年の努力が無駄になっちゃうんじゃないか」とか、色々心配の声もかけて頂きました。

確かにそれはその通りなんですが、それ以上に自分の心が納得できること、覚悟を決められることに貴重な時間を使いたい。

 

だからこそ、一度ジャマイカの学校システムから離れて、その外側から影響を与えていこうという決心をしました。

ちまちまプログラミング教えていました

 

学習塾の進捗

決意表明の記事で偉そうに「ジャマイカ1の塾を作る!」とか宣言しましたが、この一年間は一応作った塾は全く広げませんでした。というか広げられませんでした。

理由としては、教育省の傍らで副業として広げる限界と、場所候補の人たちからぼったくられそうになったり、音信不通になったり、色々問題があったことでした。

なのでこの一年は、開始時からいた14歳の男の子2人を細々と教えていました。

 

段々と見えてきたのは、ジャマイカの学習塾・習い事文化には少し特徴があり、ジャマイカならではのうまい塾のやり方や経営術があることです。

それはいくら日本のやり方を勉強しても色々条件が違っていて、現地ジャマイカの先人から学ばなきゃいけないなあと思っていました。

 

そんな時、首都のキングストンでプログラミング教育を行う企業の社長さんから一緒に働かないか、と声をかけて頂きました。

自分にとってはまたとない機会。タイミングもあり決断、3年間住んだポートランドを離れ、ジャマイカでのプログラミング教育と塾経営を学ぶため、首都キングストンに移り住むことを決めました。

「ジャマイカ1の塾を作る」という目標の一つが達成されるのはまだ先になりそうですが、いつか来るその日のために、今はグッと力を溜めようと思います。

「塾どうなのー?」といつも気にかけてくれる人には「まだ全然です。」としか言えなくて申し訳ないですが、目標から逆算して着々と、地道に、石橋を叩きながら進んでいますので、辛抱強くお待ちいただけると嬉しいです。

教室に見学に来た時

 

意味があるかは未来の自分が決める

悩みながら送ったこの一年ですが、その意味はこれからの自分が決められると思ってます。

ここで諦めたら確かに無意味になっちゃうかもしれないけど、逆にこの一年で培った教育省とのパイプや人間関係がいつか活きてくる日が来るかもしれません。

 

悩んだこの一年があったから今の自分がある

とそう胸を張って言えるような、そんなこれからにしていきます。

 

僕のジャマイカ生活第二章は、

「フルタ、首都キングストンで塾経営を学ぶ!の巻」

です。

これからも応援よろしくお願いいたします。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

大好きなポートランドの夕日。いつか必ず戻ってきます

4 件のコメント

  • はじめまして、メキシコでもうすぐ6歳の娘を育てています。娘が幼稚園で足し算を習い始めた時に「あれ?これ数えてるだけやん!」…と思って夫(メキシコ人)に「足し算ってタイル使ってやらないの?」と聞くと…メキシコはそのやり方じゃない…と。私も自分が小学校で習った時のタイルの記憶があいまいでネットで調べてるうちにフルタさんのブログに行き当たりました。で。そう!これ!私が?と思ったのまさしくこれ!と。頭の中でなんとなくタイル使ってやるやり方がいいのに…と思ってた事をフルタさんのブログ読んでクリアーになりました。で、それを夫に説明して…娘の幼稚園の先生方にも私は子供の頃こういうやり方で習ったけどどうかな?と提案というか…話す機会をもらって…そしたら先生方みんなとても興味持ってくれました。いつも、フルタさんが活動されてる様子をすごいな〜楽しみだな〜と思いながら見ていました。また、新しい一歩を踏み出されるということでこれからも応援してます。

    • すみません、コメントを確認しておりませんでした、、、
      メキシコで僕の記事を引用してくださったとのことで、とてもうれしいです!!
      ありがとうございます。
      僕たちが当たり前に教わってきたやり方が、どれだけ理に適っていたか海外に出て初めて感じますよね。

      メキシコでの子育て、大変なこともあると思いますが、無理せずやりましょう!
      コメント頂いてとても嬉しかったです。ありがとうございます!

  • 夢破れてというか、1年間悪戦苦闘してやっと地面に足が届きましたね。これからは、その地面に足を踏ん張って一歩一歩前進してください。もう焦らずに、本当に大切なことに集中しながら、楽しみながら。またレポートが届くのをお待ちしています。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

    ABOUTこの記事をかいた人

    「どんな家に生まれても、逆転するチャンスを」 ジャマイカの教育省で働きながら、算数・プログラミングの塾を起業しました。 日本の教員が海外でも通用することを証明するために、チャレンジしている様子を発信していきます。